<物語>
東京は下町。台東区。
何でも昭和の始めから続く風呂屋があって、
そこには無口で頑固で酒飲みな御主人と、
どういう訳か、その御主人とは
釣り合わない美人な奥さんが居て、
二人で銭湯を切り盛りしていたが、
ここに来て予てから御主人の酒癖が祟り、
奥さんが出て行ってしまう。
これに懲りて直るどころか
さらに酒浸りな御主人。
見兼ねた近所のお節介な友人たちが
訪ねてきて、仲直りの指南をするが…
男と女。夫と妻。
切るに切れない腐れ縁を
ユーモアを交えて描く人情噺。

<解説>
「ユウナとちいさなおべんとう」から17年
のブランクを経て、短編連作集の2作目と
して製作されました。         
今回はイギリスから入手したÉclair 社製の
16mmフィルムカメラと、Angineux 社製
の10mm単焦点からズームレンズまでの古
いオールドレンズを使用し、東京は台東区
や荒川区の情緒豊かな古い銭湯や、都内唯
一の路面電車などで撮影を敢行しました。
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性懲りも無い酒飲みの駄目な亭主と、どう
にも縁を切れない女房の関係性は人間味に
溢れ、複雑な大人の感情が垣間見えます。
また、幾つになっても我儘で無邪気な男達
の会話は見ていて楽しく、そして少しだけ
人生の哀愁を感じさせます。      
今作品のインスピレーションとなったのは
古典落語の数々で、夫婦間の縁を描いた題
材は数多くありますが、その中には時代に
左右されず、現代でも共感できる心情があ
ると思います。そこを踏まえて、脚本を担
当して頂いた市村政晃さんには、はじめに
大まかなストーリーを伝え、書いて頂いた
脚本を調整して返信し、そのやり取りを繰
り返しながら稿を重ねて行きました。  
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主役の銭湯の主人を演じるのは、私が勤め
る職場で知り合って意気投合し、初めての
映画出演に挑んだ稲毛弘隆さん。しかし、
2020年1月に急病により急逝。 折しも荒編
集がひと段落し、映像を確認した直後のこ
とでした。主人公の妻役を演じるのは劇場
公開作品などの役者としての活動の他に、
シンガーソングライターとしても活動して
いるみやびさん。その他に、昭和から平成
にかけて、数々の名作映画で脇を支え続け
村添豊徳さんが銭湯に入り浸る役として
出演。また、薬局に勤める銭湯の主人の友
人役として、映画やドラマに舞台、CM等
ジャンルをまたいで活躍中の坪内悟さん。
主演の稲毛さん同様に、同じ職場で出演を
依頼し、快諾して頂いた橋本智子さんが、
銭湯のお手伝いさん(主役の従兄妹という
裏設定)役で出演しています。     

<キャスト>
稲毛弘隆
みやび
村添豊徳
坪内悟
橋本智子
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<スタッフ>
  脚本:市村政晃
撮影監督:松下茂 
  音声:八木武志
    田山滋
  編集:石出裕輔
   衣装:名取みやび
  美術:石出裕輔
 監督補:根岸摩耶
撮影助手:堀越桐郎
スチール:飯野歩 
撮影応援:露木栄司
    松田彰
    阿部崇
    石出亮
     石出実希
     中桐崇文
      監督:石出裕輔    
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フィルム:KODAK VISION3 500T
現像・カラー:東京現像所
製作協力:Studio AGIRA
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2021年 / 16mm / 19min / STEREO